【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第6章 旅立ちの時
「……遅い」
「……違いない」
今、おれとキッドは北の港にいる。アユナとミーウと約束した場所だ。
「キラー、もう1回確認するが……待ち合わせの時間は12時ちょうどだったよな?」
「ああ」
「おれはあいつらに伝えたよな?」
「……ああ」
アユナとミーウはいつものように遅刻している。ちなみに、今の時刻は12時半だ。
「どうするんだよ……この島には海軍大将がいるんだぞ?」
「それは承知済みだろ。そんなことを怖がってて、どうする」
「まァ……」
キッドは口籠った。この島には海軍大将青雉ことクザンがいる。そのため、変な行動をしてしまったり、早く出港したりしないと、そこら辺にいる海兵に海賊になることを嗅ぎつかれてしまうかもしれない。
「キッドー! キラー!」
そんな時、いつもの声が聞こえてきた。
「……やっと来たか……」
キッドは腕組みをしていた腕を解いて、ミーウたちの方を向いた。
「……遅くなってごめんね」
「……昨日、遅刻しねェとか言ってたのはどこのどいつだよ」
「……」
心なしか、アユナとミーウの目が赤かった。ーーきっと、親に別れを伝えたのだろう。
「……いいのか?」
「うん、大丈夫だよ。ちゃんとお母さんにも言えた」