【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第4章 前夜祭
アユナは顔を赤くしている。
「……」
(……可愛い)
ーーこの8年間で、アユナは急激に綺麗になったと思う。いや、こんなことを言うと語弊があるな。出会った頃から綺麗だし、アユナだけではなく、ミーウも確かに可愛くなった。だが、おれは大人になって、綺麗になったアユナから目が離せないでいた。
「……そうだな」
「……え?」
アユナは少し驚いた顔をした。ーーそんな顔さえ、愛おしいと思ってしまう。
「明日から……時間に縛られることなく、4人でずっと一緒に過ごせるな」
「……うん!」
アユナはおれに笑顔を向けた。
「……」
無性に彼女に触りたくなって手を伸ばそうとしたが、ふと視線を感じてキッドとミーウの方を見た。
「……おい」
「何だ?」
「何?」
キッドとミーウはおれとアユナを見て、ニヤニヤと笑っている……さっきまでの喧嘩はどうしたんだ……。
ため息をついて、頭を掻いた。
ーーどうやら、こいつら2人はおれの気持ちを知っているらしい。いつ知ったか分からないが……こんなガキ共に気付かれるおれもおれだが……。
「ふふ、じゃあ、帰ろっか」
ミーウはおれたちに笑顔でそう言った。