【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第4章 前夜祭
「何ですって!」
もう帰る時間だというのに、ミーウとキッドの2人は言い合いを始めてしまった。ーー本当に成長しない。
「おい、2人ともいい加減にしろ。そんなんじゃ、8年前と何も変わらないぞ」
おれはそんな2人の間に割って入った。
「明日からは思う存分、喧嘩ができるんだから今くらいは我慢しろ」
「誰がしたくてこいつと喧嘩するかよ!」
「それはこっちの台詞よ!」
「なんだと!」
仲裁に入ったはずなのに、先程よりもヒートアップしてしまった2人を見て、おれは深々とため息をついた。
(こんなんで明日からやっていけるのだろうか……)
正直、明日から不安で仕方がない。
「はァ」
「ふふ」
そんなおれの隣で、アユナは穏やかに微笑んでいた。
「……」
(明日からは……)
こんな生活が毎日続くんだな。キッドとミーウが喧嘩をして……おれが止めに入って……アユナが隣で微笑んで……大楠に来ないと見られなかった、そんな毎日が日常へと変わる。
「早く明日にならないかな……」
「……アユナ?」
ーー今、なんと言った? それは……どんな意図で発した言葉なんだ?
「あ、えっと……」