【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第1章 今、隣にいること
「新世界で……会おうぜ!」
“シャボンディ諸島”、人間オークション会場の前。偶然なのか必然なのか……はたまた、神様の悪戯か……3つの海賊団が同じところに集まり、ライバル関係である3人の船長が同じ目的のために共闘した。
「……」
わたしは会場の入り口にある階段の上から、その様子をただ眺めていた。
「ミーウ?」
名前を呼ばれて横を向くと、隣にいた長い黒髪の女の子ーーアユナが不思議そうにわたしを見ていた。
「キッドが呼んでるわよ。行かないの?」
「……行くよ」
促されるまま彼女と2人で階段を降りると、赤い髪の屈強な男がこちらを振り返った。
「ミーウ、アユナ」
その男は真っ赤な紅をひいた唇の端を上げて笑った。
「キッド」
ーー男の名前はユースタス・キッド。二つ名は“キャプテン”・キッド。懸賞金3億1500万ベリーの賞金首で、我らキッド海賊団の船長。そして、私とアユナの幼馴染みだ。
「さっさとここからずらかるぞ。海軍大将と出会したくねェからな」
「そうね」
わたしはキッドの隣に立ち、腰に携えた鞘から刀を抜く。そして、キッドと共に能力を使いながら、自分たちを囲んでいる海兵たちを蹴散らしていく。