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赤い吸血鬼と女の子 [黒子のバスケ]

第5章 最終章



温かくて優しい何かが、ゆったりとした動きで私の髪を梳いている


心地良さに重い瞼を開いていくと、ぼやけた視界にうつったのは柔らかい表情をした恋人だった



「…………、」


赤司さん


彼の名前を呼ぼうとしたけれど何故か声が出ない


喉がカラカラに枯れているようだ


…何でだ


「大丈夫か?」


「………」




なにが大丈夫だって?

状況を理解できていない私に
赤司さんは困ったように笑った


よくわからないから私も困った顔をした

…………ん?


彼を見つめているうちに意識がはっきりしてきた

そしてはっきりしてきた視界にうつったのは赤司さんの剥き出しの胸板だった


本来ならばカッターシャツで隠されているはずの素肌が丸見えだ



…え、ちょ

なんで

なんでハダカなの


とりあえず体は素直に反応したのか
かぁぁ、と顔が熱を帯びていく


待っ、ちょ、誰か説明…っ、


意味がわからなくてわたわたしていると
赤司さんはその反応を見てくすっと笑った



いや、違う

笑ってないで助けて

狼狽える私にただ笑う赤司さん


意味がわからなくて、でも目の前の逞しい胸板をガン見することもできなくてとっさに下を向いた


「……っ、へぁっ、!?」


下を向いて、絶句


シーツにくるまれている私の身体も何故か素肌が剥き出しだった


感触からして何も着ていない



…え

目の前にはハダカの赤司さん
そして同じく私もハダカ


…ちょ、あの

落ち着け、とにかく落ち着け私


シーツを頭まで被って必死に昨夜のことを思い出す


昨夜

昨夜は確か…



「…………っ!!」



そして思い出して顔が沸騰した


だって、思い出されたのは赤司さんの吐息とか、汗とか

熱に浮かされたように何度も何度も私の名前を呼ぶ色っぽい声

歪む視界の先に見えた彼は私の身体を揺さぶっていて


それに加えて今下腹部に感じているこの違和感

これは、もしかしなくて



「名前」


頭上から優しい声がした


当然応えられない私


具体的に思い出してしまって、多分今、私の顔は真っ赤だ

顔なんて見せられる訳がない


何も反応せずに黙り込んでいたらシーツを剥ぎ取られた


途端に明るくなって、赤司さんの顔が見えた、と思ったら

ちゅ
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