第5章 Ⅴ 謎の男
―――練習後―――
俺はまだまだ泳ぎ足りず一人で残って泳いでいた。
ザパァ
「はぁ、はぁ、・・・・ん・・?」
プールサイドに人の気配を感じた
プールの中から見上げてみると制服に着替えた相楽が立っていた。
「・・・どうした」
「いや・・・、ちょっとアンタに聞きたいことがあるんだけど。」
「・・・なんだ」
相楽はフェンスにもたれて俺を見た
「真咲とはどういう関係?」
「・・・・・・!!」
俺は相楽を睨み付けるように見た
相楽はその視線に気づき、フッっと笑って言った
「特に深い意味はねーよ。なんつーか・・・勘?みたいな?」
「意味わかんねー。・・・お前には関係ないだろ。」
俺はキャップとゴーグルを外し、プールサイドへと上がった
俺もアイツに聞きたいことがいろいろある
アイツが俺と真咲の関係を聞いてきた時点で俺が予想していた最悪の展開になる可能性が広がった
・・・クソッ
「ま、確かに俺には関係ねーか。」
「待て。」
「・・・?」
プールを後にしようとしていた相楽を呼び止めた。
「お前こそ・・・真咲とはどういう関係なんだよ・・」
「は?俺?」
「ただの幼馴染じゃないだろ」
「・・・どういう意味だよ。」
「・・・別に。」