第5章 Ⅴ 謎の男
(ヒロイン視点)
土曜日
「・・・・もしもし。」
『もしもし?真咲?』
「・・・瑞樹!?」
『あぁ、久しぶりだな、真咲。元気か?』
「元気だけど・・・どうしたの、急に。」
『ちょっとお願いがあるんだけど・・・・』
「お願い?」
「彼女のふり?」
『そう!頼む!一日だけでいいんだ!』
「いやだよ、めんどくさい」
『そんなこと言わずにさー、なあ、お互い助け合って生きていこうってあの時約束しただろ~?』
「あんたねー、それとこれとは話が別でしょ!だいたいどうしてそんなことするはめになったの?」
『いや、クラスの女の子から告白されてさ、断ったんだけどどうしても諦めきれないって言ってさ、それでつい彼女がいるからって嘘ついたらこの目で確かめたいって・・・・』
「へえ~、それはそれは大変ですね、がんばって・・」
『全部奢るから!真咲の好きなところに連れていく!だから・・・な?』
「・・・・・何時?」
『え・・?』
「だーかーら、何時にどこ集合?」
『協力してくれるのか!?』
「今回だけだからねー。もう、せっかくの貴重な休日が・・・」
『サンキュー!えっとじゃあ明日駅前に・・・・』