第4章 Ⅳ プールに行こう!
「えっ?」
後ろを振り返るとチャラそうな男の人が3人。
「かわいいねー!ねえ、向こうで一緒に泳ごうよ!」
ぐいっ
「へ!?あ、ちょっと・・!」
いきなり腕をつかまれて引っ張られた
力が強くて振り払うことができない
「ハルっ・・・!」
思わず声に出したその時・・・
ぐいっ
「・・・・・!」
誰かが私の左腕をつかんだ
「離せよ。」
「ハル・・・!」
そこには今まで見たこともないような怖い目をしたハルがいた
「ちっ・・・男持ちかよ。」
男の人たちは私の腕を離し、どこかに歩いて行った
「ハル・・・「ごめん。」
ぎゅっ
ハルはそう言って私を抱きしめた
私はハルの大きな胸板に顔をうずめ「ううん。」と返した。
腕をつかまれたのは怖かったが正直、ナンパをされたことは今までに何回かあった
助けてくれたのはいつも防犯ブザーかカナちゃん(黒崎)だったけど
でも今回はハルが助けてくれた
守ってくれる存在がいるということだけですごく安心する
私は人の温かさを知らずに生きてきたから
「向こうのプールで泳ごう。」
ハルはそう言って私の手を握った
「・・・うん!」
そして私たちは流れるプールで泳ぐことにした