第2章 Ⅱ 離したくない
15分後・・・
「あった。」
着いた先には『国明館高校 女子寮』と書かれたきれいな建物があった。
「うわあ、すごーい。」
真咲はキラキラした目でその建物を見上げる
「・・・あら?もしかしてあなた、ここの寮生?」
「・・・はい?」
近くを歩いていたおばさんが突然話しかけてきた
「そ、そうですけど・・」
「あら!聞いてない?いまこの寮、内装工事してて入れるのは明日からよ!」
「・・・・えー!!!」
「ほかの寮生には前々から近くのホテルに泊まるように知らせてあるんだけど・・・、あなたもしかして今日こっちに越してきたの?」
「は・・・はい。」
真咲は茫然と立ちすくんでいる
「あらー、じゃあ知らないのも無理はないわね。どうしましょー。」
「ど、どうしましょう・・」
真咲が助けを求めるかのように俺のほうに向いた
「・・・・ハル・・・」
うるんだ瞳・・上目づかいで俺を見つめる
・・・え、おい、ちょっと待て
俺はいま、どういう状況なんだ・・・?