第24章 失態
仕事を終え、私はロッカーで丸山さんにLINEで連絡をとっていた
<<良かったら今日も会えますか?>>
私は打つと、スマホをカバンに入れて上着を着た
丸山さんと会うために、いつもの場所に行くために
その私の横にアイツが来ていた
彼は少し、寂しそうに私に言った
「なぁ、少しだけでも俺に時間くれんか?」
私は、彼を睨みつけた
私は、心を動かされる事などなかったし
あの夜の悲しさが私の胸に刺さっていたから
「今さら、私は話す事ないけど」
そう言うと、私は足早にその場を離れようとした
その時、彼は強引に私の腕を引き自分に抱き寄せた
私は何が起きたか分からずにいたが、彼が腕の力を入れ私を抱きしめた瞬間に状況を把握した
私の身体に虫酸が走る
丸山さん以外に抱きしめられて
力強く彼を突き飛ばした
「本当に止めて!二度としないで!」
私は、本気で怒ってた
その顔をみて、彼は俯いた
私は何も言わずに、店を出た
歩きながら、私は悲しかった
何故か分からなかったけど
その時に私のスマホから着信音が聞こえた
見ると丸山さんで
<<今、空き時間出来たから行くね、いつもの所で待ってて>>
私は返事を打った
<<忙がしいのに、すみません。待ってます>>
すると、直ぐに返事がきた
<<僕も会いたいし、抱きしめたいから>>
本来なら、嬉しい丸山さんの言葉なのに
その瞬間に私の脳裏にさっきの、アイツが浮かぶ
私は首を振り返事を送った
<<早く、会いたいです>>
私はスマホをカバンに直して、いつものベンチに急いだ
もう、アイツに抱きしめられた事は思い出さないと決めて歩きだしたのでした