第6章 ♡Story3♡ 好きだという自覚...
「じゃあ今日の1時間目は藤ヶ谷先生と一緒に校庭に
行くぞー!」
「何で校庭に行くんですか?」
陸が担任の先生に質問する。
「1時間目は5年生全クラスは特別、教育実習生の
先生とより仲良くなるために一緒に遊ぶんだ。」
「......下級生じゃないのに?」
「陸、そんなこと言うな......(汗)
こんな風に教育実習生の先生と遊べるのは、
小学生のうちだけだぞ?」
「......まぁ......。」
陸は渋々納得する。
「よし!ホームルームはこれで終わりだ。
あとは遅れないように各自で校庭に集合だぞ?」
「「「「は~い!」」」」
担任の先生は教室を出て職員室の方に向かった。
クラスメイト達が次々と校庭に向かっていく中、
百合はすぐさまに藤ヶ谷先生の元へ走った。
「せんせ~い!」
「おい、百合!」
陸も百合の後を追って走る。
ぎゅうぅッ!
「おわッ!?」
「おい百合、いきなり抱きついて......迷惑だろ?」
「いいじゃん!」
「いや、俺は大丈夫だから。」
藤ヶ谷先生が小さく微笑む。
「藤ヶ谷先生ってカッコいいですよねッ!
彼女さんいるんですかッ?」
「?いないけど、それがどうしたの?」
「べっつに~!何でもないですよッ!」
「......?」
「百合、先生にいきなりそんな質問する奴がいるか?」
「いきなりって......
教育実習生の先生への質問の定番じゃん!」
「藤ヶ谷先生迷惑してんじゃね?」
「俺は大丈夫だから、気にしなくていいよ。
質問があったら何でも聞いていいから。」
「ホントですかッ!?」
「うん、でもそろそろ移動しないと遅れるから、
校庭に行こっか?」
「は~い!」
百合は元気に挨拶すると藤ヶ谷の手を握る。
「......。」
「......?君も行こっか。」
「はーい......。」
陸はどことなく不機嫌そうに返事をし、
百合達と校庭に向かう。