第22章 ♡Story19♡ 一難去ってまた一難...
「っだって......さっき"百合"って呼んでくれたんだもん!
記憶失くしていた間、
ずっと"百合ちゃん"ってちゃん付けだったんだもん(泣)」
泣きながら抱き付く百合。
「っそんなことくらいで、泣くなよ......」
「っだってぇぇ......(泣)」
「......わりぃ、ずっと余計な心配かけて......」
「う、うぅぅ......(泣)」
ポンッ...
「百合......」
「っ......」
太輔は百合を抱きしめ、頭に手を置く。
「ごめんな百合......ずっと、辛い思いをさせて......」
「ぅ......太、輔......」
「まだ、思い出せていないこともあるけど......」
「っううん!
そういう風に、呼んでくれただけでも嬉しい......ありがとう、太輔......」
百合は抱きしめる力を強める。
「......。」
太輔も何も言わず百合を抱きしめる。
「っう...うぅ......」
「......もう少ししたら、帰るか?」
「うん......」
"カシャ"
「っ!」
"カシャカシャ"
二人が抱き合っていると、
遠く離れたところからカメラを連写するような音が聞こえた。
「......百合、いきなり顔あげてどうした?」
「っ今......カメラのシャッター音が聞こえたような気がして......」
「ぇ......まさか、マスコミか?」
「っでも、気のせいかも......太輔は、分らなかったんでしょ?」
「あぁ......でも、ここから離れよう。
なんか、やな予感がする......」
「うん......」
太輔は百合の手を引っ張り駐車場へ走った。