第20章 ♡Story17♡ 記憶
百合Side
「私、もう一度太輔のところに行きます。
ここでじっとしてても何も始まらないし......出来るだけ早く、
記憶が戻ってほしいから......」
「うん、そうだね......そろそろ行かないと、
裕太君達も心配するからね。」
二人はみんなのいる病室に向かった。
(っちゃんと......現実と向き合わなくちゃ!)
病室...
「......百合、もう大丈夫なのか?」
「うん、お兄ちゃん。心配かけてごめんね(苦笑)
太輔の具合はどう?」
「全然大丈夫だよ。さっき先生も来て、
明日明後日には退院できるって。」
「そっか、ならよかった......」
「......先生もね、日常生活に影響はほとんどないみたいだけど...
全部の記憶が戻るのは、少し時間が掛かるみたい。」
「そうなんだ......でも、退院できるなら大丈夫だね。」
「百合......あんまり無理すんじゃねぇぞ?
明日の撮影にも支障きたすんじゃ......」
「大丈夫だよお兄ちゃん!私だって芸能人の仲間入りしたんだから、
それくらいの自覚はちゃんとあるよ......
"仕事"と"プライベート"は、別だから......」
「......そっか。」
「うん......」
私はまだまだ未熟だけど、数多い芸能人の一人......
もっと......自覚を持ってしっかりしなきゃ......
太輔の記憶が戻るのも......
ゆっくり待つしか、ないもんね......。