第20章 ♡Story17♡ 記憶
「事故......っ」
頭の中で事故当時の映像が映し出され、
俺はどうやら一人の少女を庇ってこの状態らしい......
でもその少女の名前を、顔も分らない......
俺はこの少女を庇うほど、"大事な存在"だったのか?
「っ太輔!......傷、まだ痛いの?」
「っいや......俺は、大丈夫だよ......ところで......」
「......?どうしたの太s..「君は、誰?」...ぇ......」
全く知らない、目の前にいる少女......
少女は驚愕の表情で俺を見ていた。
そんなに、ショックを受けるほどなのか......?
君は一体誰なんだ?何で俺の事、
シッテイルノ?
「っ藤ヶ谷先生!?
百合ちゃん、玉森百合ちゃん!貴方の彼女です!」
「彼、女......?
北山先生、俺に彼女なんて.....いませんよ?」
「っ藤ヶ谷先生......」
いきなり少女は俺の彼女だと言い出した北山先生。
北山先生は、一体何を言っているんだ?
俺には彼女なんていた記憶は、一つもない......
軽く10歳くらいは離れていそうだが......
そんな彼女なんて、俺にいたのか?
「嘘、でしょ?ねぇ太輔!私の事、覚えてないの?」
「っごめん......君が誰なのかも、わからない......」
「っ......太輔......」
少女は足元をぐらつかせた。
けど本当に少女が誰なのかがわからない......
百合なんて子、俺は知らない......
でも落ち着く声......。
「百合ちゃん......っ藤ヶ谷先生!
本当に覚えていないんですか!?
百合ちゃん、貴方と付き合う前から凄く慕ってたし....
このネックレスだって彼女とお揃いなんですよ!?」
宏光は太輔にネックレスを渡す。
「ネックレス......?」
太輔はネックレスをじっと見つめた。
ネックレス......
何のことだ?