第20章 ♡Story17♡ 記憶
太輔Side
『っ太輔!ねぇ太輔!』
俺の名前を呼んでいるのは......一体誰?
意識がない間、ずっと俺の名前を誰かが呼んでいる......
けど、誰だか分らない......
でも......どこかで聞いたことがある声だ。
とても落ち着く......
俺を呼んでいるキミハ、ダレナノ......?
「......っ」
「っ太輔!?」
俺が目を開けると、
目の前には知らない少女が涙を流しながら俺を見ていた。
この声......どっかで......
「っ太輔......」
キミハイッタイ、ダレナノ?
初めて会った気がしないのは......気のせい?
コンコン...
「失礼します......あれ?百合ちゃん、
もう来てたんだね。」
「っ北山先生!」
百合......?
扉の前には北山先生の姿があり、手には花束を持っていた。
まるで俺が病人のようだ......。
「藤ヶ谷先生の具合はどう?」
「太輔......今目を覚ましたところですよ。」
「っ本当に!?」
「はい!
でもまだ、意識が朦朧としている感じですけど......」
「でも目を覚ましてくれたんだ、よな?」
「はい!」
「......。」
自分の腕を見てみると点滴を打たれていた。
俺は......なんで点滴投与されてんだ?
太輔はまだ重い身体を起こす。
「っここ、は......」
「光咲病院の病室です、藤ヶ谷先生。 昨日事故に遭われて、
今までずっと眠っていたんですよ?」
事故......俺は事故に遭って病院でずっと眠っていたのか?
でもなんで......
『っ!?―――!』
『......どうしたの太s.."ガシャン!"......ぇ......』
『っ―――!』
『っ―――ちゃん!』
だっ...
『―――!逃げろ!』
『っ太輔!』
ガッシャーン!
事故......事故......
「事故......っ」