第19章 ♡Story16♡ 事故...
「......百合ちゃん、それは?」
「......太輔の、ネックレスです......
私にとっても大事な......」
柊の問いに小さく答える百合。
「百合ちゃん......
そのネックレスってまさか......」
涼介は何かを察したかのように言う。
コクッ
「......。」
(太輔......
『......俺も同じリング着けてたの、分ってたか?』
『ぇ......?』
『それ、元はペアリングなんだ。......色違いでな。』
っもし記憶を失っていたら......
このネックレスのことも忘れちゃうの?
私とお揃いのネックレス......)
百合が手に取ったネックレスは自身の誕生日の際、
見せてもらった百合とお揃いのネックレスだった。
そして百合は
自身の着けているネックレスを握りしめる。
「「百合ちゃん......」」
「......。」
リングのネックレスのことを知っていた涼介と宏光は
リングを握りしめる百合を悲しげに呟いた。
その一方で柊は、二つのリングを強く握りしめる百合を
複雑そうにも切なく見つめていた。
「......。」
(太輔......)
ネックレスを握りしめたあと、
百合はネックレスを元にあった場所に戻す。
ねぇ太輔......私との思い出......
忘れないよね?
小学校の時の思い出や、
あの日の告白...
初デート...
触れるだけのキスや、
何度も確かめ合ったキス...
それに、この誕生日プレゼントも......
もし忘れたりなんかしたら私......
泣いちゃうよ......?