第19章 ♡Story16♡ 事故...
「ぇっと、期間中警備をしてくださってくれる方ですよね?
っ実は事故で......照明器具が落ちたんです......」
「そうですk..っ藤ヶ谷先生!?」
「っなんであの人が......」
二人の青年は顔を歪める。
「知り合い、何ですか?」
涼介は二人に問う。
「昨日、俺のミスで大幅に遅れちゃったんすよ......
それで......」
「俺らの代わりにしていてくれたんです、
北山先生と一緒に......」
「そう、だったんですか.....
それで昨日校門前にいたんだ......」
「っそんな事より、藤ヶ谷先生は大丈夫なんですか!?」
茶髪の青年は涼介に詰め寄る。
「息はまだしています......けど、
かなり危険な状況かもしれない......」
「っそんな......」
「ったぃ...すけぇ......ぃや、だよぉ......」
「......あの、あそこで泣いている彼女は?」
一方で比較的冷静な黒髪の青年が
床にうずくまる百合に気づく。
「彼女は玉森百合ちゃん、俺の共演者だよ。
今ここに彼女はいるのは危険なんだけど......」
「医務室に連れて行きたくても、
なかなか動いてくれなくて......」
「彼女が.....っおい志村!」
「......。」
志村と呼ばれた茶髪の青年は
無言で百合の方へ歩き出す。
「ヒック...ヒック......」
「......。」
そして青年は百合の前にしゃがみ込む。
「......?」
それに気づいた百合は顔を上げる。
「っ太s.."ぽんっ"「俺は藤ヶ谷先生じゃねぇよ......」
......?」
青年は百合の頭に手をぽんと乗せながら言う。
「俺は志村徹平......ちゃんとした名前があるの!」
「......。」
徹平と名乗った青年は、
柊と同じく太輔と瓜二つの人物だった......。