第19章 ♡Story16♡ 事故...
「太輔!太輔!...ヒック...ねぇ..ぅ...たぃ..すけぇ....」
「百合ちゃん落ち着いて、
もう少しで救急車が来るから......」
背中を摩りながら言う柊。
「とにかく器具をどかそう......柊は百合を見ていろ。みんな!手伝ってくれ!」
監督は器具をどかすようスタッフ達に呼びかける。
「いゃ......太輔......嫌だよ......」
「百合ちゃん......」
「15分程で救急車が着くようです......」
「そっか...ありがとう山田君......。」
「いえ......まさかこんなことになるなんて......」
「スタッフもうっかりしていたんだろう...これは......
っ不慮の事故としか、言えない......。」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!太輔!......
ねぇ!目を、覚ましてよぉ......」
「今は彼から彼女を離そう......
ここは百合ちゃんにとって危険だ。」
「はい、そうですね......百合ちゃん......」
涼介は太輔の傍でずっと泣いている百合の肩を抱き、
その場から離そうとする。
「嫌だ!嫌!太輔の傍にいるの!」
だが百合は傍から離れようとしない。
「今は駄目だよ......一旦医務室に行こう?」
「嫌!」
「百合ちゃん!」
「嫌よ!」
「お願いだから駄々をこねないで......
今ここは百合ちゃんにとっては危険なの......」
「いやぁ......ぃゃ......」
百合を立たせる涼介だが、
百合はすぐ座り込んでしまう。
するとそこへ.....
「一体何があったんですか!?」
「外から凄い音が聞こえて......一体何が?」
警察官の制服を着た二人の青年が現場に入ってくる。