第17章 ♡Story14♡ ずっと、解っていたこと...
「ぇっと、ですねぇ...(汗)」
「......もしかして"恋人"、とかかな?」
「ぇ......」
涼介からの思いがけない言葉に固まる百合。
「そのネックレス、ちょっと前に似たようなものを
見たことあってね......そしてそれは、
ペアネックレスだったんだよ......」
「っ......」
「ペアアクセっていうものは、
普通恋人同士がやるものでしょ?
友達同士でやらなくもないけど......
リングのペアって言ったら、
恋人同士なのかなって......」
涼介はどことなく悲しげでもあった。
「っそれは......」
(どうしよう......
まさか涼介さんにまでバレちゃうなんて......)
解っていたこととはいえ、頭の中が真っ暗になる百合。
「ごめんね百合ちゃん......
何となく、感じてたんだ......」
「っ......」
(嘘......でしょ?)
「......やっぱり、付き合っている人がいるのかな?」
「......。」
「......っごめん、今のは聞かなかったことにして?」
「ぇ......」
「確かに、うちの事務所は恋愛禁止だよ?
......でもね......」
「......」
「俺としては、上に報告してまで
別れさせたいとかなんて......思わないよ。」
「っ何で......規則なのに......」
「本当は駄目なことだよ......マネージャーとして、
ほっとくことは......」
「......。」
「タレント達は"商品"として扱われるけど......
でもその前に、"一人の人間"でもあるんだ......。
業界から離れれば一般の人と変わらない、
自由な存在なんだよ。」
「......。」
「だから俺は元々、
事務所の規則には疑問を抱いていたんだ。
正直に言うとね......」
「涼介さん......私...私......」
(言わなきゃ......家族だけじゃなくて、
涼介さんにもちゃんと言わなきゃ!)