第17章 ♡Story14♡ ずっと、解っていたこと...
「涼介さん......私...私......」
「.....どうしたの、百合ちゃん?」
「っずっと黙っていてごめんなさい!」
「ぇ......?」
「私......付き合っている人がいるんです!」
声を荒げながら言う百合。
「ぇっと百合ちゃん......」
「相手の名前は...まだ言えないんですけど......」
「百合ちゃん......」
「本当に...っごめんな、さい......私......」
「百合ちゃん......
そうやってずっと耐えてきたんだね......」
「ぇ......」
「謝るのは、むしろ俺だよ......もっと早く気付けば、百合はここまで苦しむことはなかったんだからね....」
「ち、違います!涼介さんは全く悪くないです!
規則を知っていたのに、私は......
ずっと黙っていたんですから......。」
そう.....私が悪いの......本当は......
『もしかして百合ちゃん......
付き合っている人がいるの?』
『......。』
あの時に言えばよかったのに......。
あの時、怖がらず正直に言えばよかった......。
(今さら後悔しても、遅いのに......)
「百合ちゃん......はい、これで涙拭いて?」
涼介はハンカチを取り出し百合に渡す。
どうやら涙が出ていたようだ。
「っ......すいません、お借りします......。」
ハンカチで涙を拭く百合。
「百合ちゃん、正直言ってくれてありがとうね?」
「っそんな!......私、
社長にも正直に言いたいんです......この事......」
「え゛!?」
何故か涼介は驚愕の表情で見る。
「......何でそんな『まずい』って顔、してるんですか?」
「......だって社長は、ああ見えてモデルの
恋愛に関して人一倍厳しい人なんだ......」
「片桐、社長が......?」
あの......優しい、片桐社長が?