第16章 ♡Story13♡ プレゼント
「っ......」
百合はいつの間にか太輔の腕の中にいた。
「ありがとな、百合。そう言ってくれて......」
「っ太輔ぇ......」
腕の中で泣き出す百合。
「おいおい、せっかくの誕生日なのに泣くなよ(苦笑)」
「だってぇ...凄く嬉しい、んだもんっ
......うぅ..うぅぅ...(泣)」
「ったく、
もう少しでお楽しみの時間だっていうのに......」
「へぇ?」
「......あと、15秒くらいだな。
百合、後ろの噴水の方でも見てな?」
「......?」
百合は太輔から一旦離れ、噴水の方に身体を向ける。
そして太輔は時計を見ながらカウントを始める。
「......6、5、4、3、2、1...」
"ブワァァッ...!"
噴水の水が噴き出るように出てくる。
ビクッ
「っ噴水が噴き出る時間、だったの......?」
「そう。でもこれだけじゃないぜ?
2時間おきに出る噴水だけど、この時間帯からは......」
「っわぁ...綺麗......」
噴水にうっとりする百合。
「イルミネーション、ランダムで虹色に輝くんだ。」
「私全く知らなかった!でもイルミって
もっと暗くなってからだよね?普通......」
「普通はな(笑)でもここは早めに点くんだよ。
夜じゃなくても綺麗だろ?丁度陽が沈む時間帯でも。」
「うん!」
「......あともう一つ......」
「なぁに?」
「あともう一つ、お前にプレゼントがあるんだ。」
「っ嘘!なになになにっ!?」
「そんな焦んなよ(苦笑)
ちょっと目、閉じてろ。」
「えぇ......」
「いいから。」
「......わかった。」
渋々目を閉じる百合。
「開けんじゃねぇぞ?」
「分ってるよ!」
ガサゴソ ガサゴソ...
「......。」
(一体何だろ......。)
それからちょっと経ち...
「もう開けていいぞ。」
目を開く百合。
「......?」