第4章 ♡Story1♡ 再会
藤ヶ谷side
「こんなところで会えるなんてすごく嬉しいです!
お久しぶりですね、藤ヶ谷先生。」
目を輝かせながら言う彼女、
あの頃と、変わってない......。
「あぁ、久しぶりだな......百合......。」
そう言うとニカッっと笑う彼女。
この笑顔も変わってない......。
「すごい奇遇ですね......ここで初めての教え子に
会うなんて。」
「そう、ですね......。」
何か予想以上に可愛くなってて俺は呆然としていた......。
5年でこんなに変わるもんなのか......。
「......あれ...藤ヶ谷先生、
もしかして彼女に見惚れてました?(笑)」
からかう様に言う横尾先生。
「ち、違いますよ!
だっていきなり前の教え子と現れて......
そ、それで..ちょっと驚いただけ、ですよ......。」
横尾先生ってたまに痛いとこついてくんだよな......。
「ははは!でもよかったじゃないですか。5年ぶりに
会えたんですから。」
「そりゃあ......そうですけど......。」
「フフフ...相変わらず変わってないですね。」
「.....確か、今年で高校生だよね?百合ちゃんって。」
「はい!そうなんですよ!
お2人は同じところに勤めてるんですか?」
「まぁね。でも藤ヶ谷先生は今年から紫鶴大学のほうに
移るけどね。」
「紫鶴大学ってあの有名な?」
「横尾先生!余計なこと言わないでくださいよ!」
「別にいいじゃないですか(笑)」
「......。」
「あのぉーお取り込み中失礼だけど......。」
「あ、どうしたのお兄ちゃん?」
「そろそろ行かないとさすがの父さん達も怒るよ?」
「え〝!?......あ、ホントだ(苦笑)
じゃあ、私はこの辺で失礼します!」
「ぁ、ああ......。」
彼女は手を振りながら家族の元へと戻っていく。
「よかったですね、藤ヶ谷先生。また会えて。」
「......はい、そうですね。」
俺は少し微笑みながら2人を見送った。