第15章 ♡Story12♡ ヒロインのオファーが来ちゃいました...
「百合ちゃん今日はお疲れ様、
土日続けて仕事あって疲れたでしょ?」
「いいえ全然!これくらいへっちゃらです!」
「そう?ならいいんだけど......。」
撮影を終えた百合は
涼介に送ってもらっているところだった。
「今日は可愛い服をいっぱい着れたので楽しかったです!」
「そっか!......ぁそうそう、百合ちゃん。」
「はい?」
「ヒロインのオファー、どうする?
もうじき打ち合わせの時期とかに入るから、
そろそろ決めないといけないんだけど......」
「ぁ、もうそんな時期なんですね(苦笑)
......正直に言うと、まだ少し迷ってます。
私にヒロインっていう大役が務まるのかって......。」
「......。」
「でも、こんなチャンス、
滅多にめぐってこないと思うんです!
それに、今の私はこんなに恵まれていて......」
「百合ちゃん......」
「だから私......
ヒロインのオファー、受けます!
ここで断ったらオーディションを受けるはずだった
女優さん達にも失礼で、何より......
私なんかを推薦してくれた柊さんや監督さんにも
迷惑をかけてしまいます。」
「......。」
「それに......自分の実力も、見てみたいんです。
私は"この世界"でやっていけるのかを......。」
「わかった百合ちゃん、じゃあ本当に......
オファーを受ける形でいいんだね?」
「はい!」
「でもここで決めた以上、ドタキャンもできないし
......後戻りはできないよ?」
「はい!」
「どんなに辛くても、逃げない?
もしかしたら、自分がやりたくない演技も
しないといけないよ?」
「それは重々承知の上です!私を見ていてくれてる、
ファンの為にも精一杯頑張ります!
この間、一通のファンレターが来たんです。
『いつも貴方を見ています。
これからもずっと、頑張ってください。』...って......」