第9章 ♡Story6♡ スカウト!?
扉を開け中に入ると社長らしき人と
その秘書であろうという30代半ばの女の人がいた。
(うわぁ...何か場違いな感じがするよ......。)
「君が、裕太が言っていた百合ちゃんだね。」
「は、はい...玉森百合です!」
「社長、裕太が言った通り
可愛らしいお嬢さんではありませんか!」
秘書の人は少し目を輝かせながら言う。
ビクッ
「は、はぁ......。」
「あ、いきなり取り乱して申し訳ありません。
私、片桐社長の秘書、神楽坂京子と申します。」
「自己紹介が遅れたが、私が社長の片桐栄吉だ。
裕太からは色々と聞いているよ。」
「は、はい!」
(やばい、凄い緊張するよ......。)
「百合さん、そんなに緊張しなくても大丈夫よ。」
神楽坂さんが優しく言う。
「緊張させてすまんな、
やはり裕太が言った通り可愛らしい娘だ。」
「い、いえそんな!ありがとう、ございます。」
「百合、無理にとは言わない。
私の事務所に所属してみないか?」
「私なんかで良ければ是非...お願いします!」
「本当かね!?」
「はい、実際、兄がやっているのもあって
モデルという仕事に興味があります。
それに、こんなチャンスなんて滅多にありませんし....。」
「社長、良かったですね。」
「あぁ、確か百合は今高校1年生だったね?」
「はい、そうですけど...それがどうかしたんですか?」
「孫娘が丁度君と同じ歳でな...機会があれば孫と
会ってやってくれ。」
「はい、喜んで!」
「ただ、孫娘はなかなかの人見知りでな...
ぜひ、仲良くしてほしい。」
「勿論です!」
「ありがとう、君には本当に感謝するよ。
話を聞いたときはかなり戸惑ったであろう?」
「はい、でもすごく有難い話でした!
ちゃんとモデルとして勤められるよう頑張ります!」
「フフ、期待していますよ。」
「良かったですね、百合さん。」
「はい!」
神楽坂さんと赤沢さんは微笑みながら言った。
(こうなったら、精一杯頑張らないとね!)
百合は心に固く誓ったのであった。