第8章 ♡Story5♡ 初デート
百合達は水道で傷口を洗い保健室に向かった。
コンコン...
「失礼します。......
あれ、保健の先生いないのかな......。」
ノックをし保健室に入ってみるものの、
中には誰もいなかった。
「伊月先生、いないみたいですね......。」
「しょうがない、消毒だけでもしないとね。」
「はーい。」
百合は返事をするとすぐ近くにあった椅子に座る。
「えぇと、消毒液と絆創膏は......あった!
...少し沁みるかもしれないけど、我慢してね?」
「もう小5ですよ?
消毒くらい大丈夫ですよ(笑)」
「そう?」
「はい!」
百合は元気よく返事をし、藤ヶ谷は膝や頬の傷口に
消毒液を塗っていく。
「っ...。」
「ご、ごめん!沁みた?」
「少し沁みたけど大丈夫です!」
大丈夫とは言ったものの、やはり少し沁みたらしい。
消毒を済ませ、絆創膏も貼り一息ついた。
「よし、これで大丈夫かな。」
「ありがとうございます、藤ヶ谷先生!
先生に治療してもらえるなんてラッキー❤」
「はははは....(苦笑)
どう、歩けそう?」
「はい、お陰様で!」
「そっか、ならよかった。」
「ふふふ...じゃあ、そろそろ皆のところに戻りましょ?」
「そうだね。」
現在...
「そんな事があったよね~(笑)」
「あの時は派手に転んだから、凄いハラハラしたのを
今でも覚えているよ(汗)」
「そんなにハラハラした?(笑)」
「いきなり目の前であんな転び方されたら吃驚するだろ。」
「サーセンでしたー(笑)」
「今はさすがにあんな転び方はしねぇよな?(笑)」
「当たり前ですよ!私、もう高校生ですから!」
「そうだったな(笑)......ほら。」
太輔は百合に手を差し出す。
「......?なぁに?」
「......手、また転ばないように......。」
少し恥ずかしそうに目を逸らしながら言う。
百合も手を差し出し、お互いに手を繋ぐ。
(ふふふ...か~わいい♪)
百合は心の中でそう思うのであった。