第4章 二日目 ー朝ー
森山side
気持ちよく寝ていた俺は、小さな柔らかい刺激で起こされた。
……いや、刺激というよりは、癒やしだな。フワリとした小さく柔らかい……。
まるで小さな子供のような肌触り……。
……ん?子供?ここにはムサい男子高校生二名とイケメン高校生の俺、計三名のはず……。
がばあっ!
飛び起きると、そこにはーー
伊月がいた。
まあ、当然といえば当然なんだけど、なんかこう……小さい伊月がいる……。
森山「宮地いいっっ!!」
布団をはがしても起きなさそうなので、Tシャツを掴んでムリヤリ起こす。
宮地「んあ……。森山!いきなり起こすなよ轢くぞ!」
森山「大変なんだよ!」
宮地「あ゛あ゛?何が!」
森山「伊月がいない伊月がいる!」
宮地「いるのかいねーのかどっちだよ!」
森山「いるよ!でも伊月がいねーんだって!」
宮地「はあ!?意味分かんねーよ!」
俺達の言い合いを止めたのは、小さな伊月だった。
「ねえ……。ごはんは?」
宮地「……」
森山「な!な!俺の言う通りだろ!?」
宮地「伊月がいない伊月がいる!」
森山「ああそうだよいるけどいねーんだって!」
今朝も、宮地手作りの数々の美味な食事だ。
いつも二人だけの食事だが、俺の隣には、もう一つのオムレツがあった。
宮地「旨いか?」
「うまい!」
目をキラキラさせて、小さな伊月が言った。
森山「きみ、名前は?」
「いづきしゅん、6歳。こないだ小学校になりました」
森山「……だそうです」
宮地「小学校に戻ってるな……」
森山「妙にしっかりしているのも、伊月らしいな」
これから、楽しくて悲しい、しゅんと俺と宮地の4日間が始まる。