第5章 二日目 ー昼ー
宮地side
森山「……って、結局連れてきてるじゃねーか!」
宮地「だーかーらー!ちゃんと作戦があるんだってば!」
近所の大型スーパーマーケットに、そのまま来た俺達。
だが、ちゃんと作戦がある。
俺は、森山に向かってビシリと指を指した。
宮地「その名も、『兄弟作戦』だ!」
「おおー!」
……という感嘆の声は聞こえなかった。
しらけた顔の森山と俊。
森山「……は?」
宮地「物分かり悪りーな!轢くぞ!……つまりは、いかにも兄弟であるかのように
振る舞えって事だ」
理解しろ、というように腕を組んだ。
森山「……」
無言で反論する森山。
しかし、モゴモゴと話しはじめた。
森山「いや、だって、さあ……」
森山「つまりはお前とも兄弟って事だろ?俺は反対だ」
宮地「こっちだって好きで兄弟やってんじゃねーよ轢くぞ。
裕也見ろよ。ていうかお前も兄弟いるだろ」
言ってから気付いたが、森山は兄がいるから、コイツは弟。
で、俺は弟がいるから、兄。
弟とは、俺が一番嫌うものである。