第5章 二日目 ー昼ー
森山side
あれから、しばらくテレビを見て過ごしていた。
一人暮らしのくせに、ダイニングテーブルは四人掛けだし、薄型の大きなテレビまである。
すると、いきなり宮地が立ち上がった。
宮地「取りあえずは、昼飯だな」
午前11時30分。宮地は、昼飯を作るらしく、キッチンへ向かった。
ガラララ……と冷蔵庫を開ける音が聞こえてくる。
先に野菜室をチェックするのか。まあ、野菜の無い食事なんて最悪だからな。
しかし、野菜を取り出す音は聞こえず、ピシャリと閉める音が聞こえた。
森山「おい宮地!野菜室チェックしたんじゃなかったのか!?」
ダイニングテーブルの椅子に座っていた俺が振り返って文句を言うと、
まずそうな顔で宮地が振り返った。
宮地「野菜が無い……」
しばしの沈黙。
森山「嘘だろおい!?本気で言ってるのか!?」
あわてて野菜室を確認しに行く。なぜか俊もついて来た。
宮地「マジでねーんだって」
一人暮らしには必要ない巨大冷蔵庫。
野菜室を開けるとーー
野菜がなかった。
俊「野菜がない」
森山「ああ……ないな……」
大きな冷蔵庫は冷蔵庫も大きいので、俊は覗き込むような形で見ている。
それが可愛いの何のって……!
宮地「よし、買いに行くか」
森山「はあああァ!?」
俺が盛大に反論の声を上げると、宮地は不思議そうな顔をした。
宮地「何か問題があるのか?」
森山「ある!大あり!ありありのオオアリクイだ!」
宮地「つまんねー。あと問題ないから」
森山「ホモと思われるだろーが!」
宮地「だーらー!そんな考えに行き着くのは腐女子だ!」
森山「腐女子じゃなくても!デカい男が幼児を連れて歩いてる!気持ち悪いだろ!」
宮地「キモッ!」
森山「だろ!?」
宮地「だからと言って置いていくわけにはなあ……」
森山「ああ……」
宮地「……よし!」