第4章 彼女と3バカと鉄板焼き(ワールドトリガー/出水・米屋・緑川)
「入ったな?ネガティブモード」
無言になったなまえの顔を、米屋が覗き込んだ。「何かあるとすぐに落ち込む」
「ごめーん、米屋」
「何かあるとすぐに謝る」
「出水みたいに、もっと悩まずに生きていきたい」
「はぁ?誰がお気楽らりぱっぱだって?」
「そこまで言ってないからぁ」
もう土下座してコンビニのチョコで許してもらおうかなぁ、と心が挫けそうになる。「なんで私の人生って、こんなにパッとしないんだろう」
「なまえ先輩、悲しい時は、俺をぎゅーってすることを強くお薦めするよ」
駿の緑色の瞳がらんらんと輝く。言われるがままに抱き締めた。
「おい緑川駿、抜け駆けすんな」
「いぇーい、年下の特権ですなぁ」
「うぜーよ帰れよ!」
わいわいと騒ぐ3人を見て、なんでこいつらはいつも底抜けに明るいのかと考える。答えはすぐに思い付く。天才、勝ち組、生まれつき。
なんであたしだけ。
「なんで自分だけ、って顔してるな」
出水が笑う。こいつにまでバレているのだ。最悪だ。