第1章 +1
「お前、止めろって言ったのに告っただろ。」
「⁉︎」
「やっぱりな。見ちまったんだよ。お前が踏まれた箱の前で地面に座り込んでるとこ。」
あ…そうなんだ。
見られてたんだ。
止めとけって止めてくれた飛雄に。
「もう誰も信用しちゃダメだね。」
優しさの裏には必ず裏切りがあるって痛いほどわかってたつもりなのに。
それなのに何度も同じ事を繰り返してその度に涙を流すのはどうして?
「小学校の時からいじめられて、中学に行ったら、同じ小学校から来た子達が私の悪評を広めてまた1人にした。」
受け入れてしまった現実を全て吐き出してしまいたくて、ただ走馬灯のように蘇る記憶を感情のままにぶつけていく。
「学校に行かなくなれば…人との繋がりを切れば良くなると思ったのに悪化するばっかで私はもうどうすればいいのかわからなかった。
時々お見舞いに来てくれる飛雄にも酷いこと言ったりしてさ、後になってまた後悔するの。どうして信用できる人まで遠ざけようとするんだろうって。」
目の前が真っ暗の中手探りで道を探す。でも足元は穴だらけで何度も堕ちていく。
今も堕ちている途中なんだろうね。
必死に足掻いてなんとか元の道に戻ろうとしてる。けど、その方法が合っているのか間違っているのかもうわからない。
「やっぱり私はむやみに人と関わろうとしないで1人でいた方が
飛雄、ダメだよそんなことしちゃ。
私、今の私は、飛雄を頼りにしてしまう。
勘違いなんてさせないで。
____________________抱き締めるなんて