第2章 誰も知らない
もしかして私相当嫌われたんじゃ…なんて頭を抱えて悩みこんだり。
思い出してみよう。平助の様子が変わった時の事。
_________「なるほどな。でもどうして千鶴が女の格好して付いてきてるんだよ。」
「奴らに怪しまれない様恋仲のフリをしてもらったのです。」____________
恋仲のフリが嫌だった…とか?
ううん。それは流石に買い被り過ぎだよね。
でもどんな理由にしてもやっぱりきちんとお話したい。
________「贈り物?」
「そう!異性として好きっていうのは、まだ実感無いんでしょ?だったら何か作ってあげるとか!普段は作らないものとか喜ばれるんじゃない?」
「お茶菓子とか?でもお団子とか作ったことないよ。」
「じゃあ甘酒は?そんなに手間も時間もかからないしいいと思うんだけど。」______
本当はいつもお世話になってる皆さんに配るつもりだったんだけど、先に2人分だけ作って平助君と飲もう。これならゆっくりお話出来そうだし。
さっき帰りに買ってきた酒粕を取り出しその一部だけお鍋に入れて。
お水と共にふつふつと温まっていく甘酒を、平助君の喜んだ顔を想像しながら覗き込んだ。