第5章 知らない女の子
妙に力が入った全身からどっと力が抜ける。
な、何だったの一体……。
疲れた気分でとぼとぼ教室へ向かう。
中庭が見える場所に差し掛かり、なんとなしに窓の外を見た。
そこに、見覚えのある後ろ姿を見つける。
午後の柔らかな日光に透けて輝く銀髪に、遠くから見てもわかる長身。
……居た!!リエーフ!!
「リエ……」
窓を開け、その背中に声をかけようとして、中途半端に言葉尻が途切れる。
だって、リエーフの大きな身体に隠れるように、彼の正面に立っていたのは、
知らない女の子。
顔を真っ赤にした彼女の手には、綺麗にラッピングされた包みがあって……、
開いた窓の前で動けなくなる私の前で、その子は緊張に震える声を絞り出す。
「もしよかったら……私と、付き合って下さい……!」