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【黒バス】私の彼氏はバスケ部です

第13章 願いごと【赤司征十郎】


【赤司】

棋士になったのはバスケ部を引退してすぐだった。

『征十郎さん、出てみたら?』

と、ルールも分かっていない夏姫が誘ったのがきっかけだった。

今では、家の跡も継ぎ両立しながら続けている。

まあ、7:3程で副業というか、息抜き程度にやっているつもりなんだが…

「お疲れ様。今回は前より早く終わったんだね」

「前回はキャリアもあったからね。今回は前程でもなかったから早く進めたんだ」

家に戻って来るなり椅子に掛けると夏姫はお茶をいれてくれた。

「さっそく仕事?少し休めばいいのに…」

「明日、商談があるから資料に目を通しておきたいんだ。それよりも夏姫、キミも座った方が良い……また、疲れが出てしまう。お腹の子にも影響してくるだろ」

「大丈夫だよ……今日は調子が良いから」

家へ嫁いで数年、結婚する前から作法など習わされ始めはぎこちなく、彼女の良さが失われてしまうかと思ったが、元々なのか、飲み込みが良く、今では自然になっていた。

「それより、聞いた?黒子くん家も赤ちゃんが産まれるって」

一緒にお茶を飲みがら出たのは友人の話題ばかり。

「時期的には同級生なのかしら?」

「恐らくそうなんだろうね」

夏姫の方はまだ目立ってはいないが大きくなって来ていた。

「バスケとかするのかな?」

「どうだろうね…」

産まれてくる子にはオレのようにはなって欲しくない。

ただ跡継ぎとして生まれても自由にやりたいことをやらせてあげたい。

それが2人の……オレの願いだ。
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