第7章 少し先の未来【黒子テツヤ】
とある場所からの帰り道、賑やかな声がすると思いながら歩いているとそこには保育園があった。
「ここ…テツヤくんの」
その保育園は夫である黒子テツヤの勤務先の保育園だった。
休み時間なのかは分からないが、外では沢山の園児が友達や先生と遊んでいた。
「黒子せんせ~!!一緒にあ~そぼっ!!」
「私も~!」
「僕も!」
「分かりました。みんなで一緒に遊びましょう」
丁度子供達に手を引かれながら出てきたテツヤくんは一緒に遊び始めた。
「ふふっ、可愛いエプロン」
普段……家では決してしないであろう可愛いキャラクターがプリントされているエプロンはより彼を保育士さんなんだと、感じさせられた。
「あの…どうかされましたか?」
1人で保育園をフェンス越しに伺っていたら保育園の先生に声を掛けられた。
「あの…すみません。夫が…主人が働いているものですから、近くを通ったので少し見てみようと…」
声を掛けられ覗きなど不審に思われたに違いないとようやく感づいた。
「主人……あ~、もしかして黒子先生の」
「あっ、はい。黒子テツヤの妻です」
「フェンス越しでもなんなので、中へどうぞ」
「でも、主人の迷惑になるので!」
「黒子先生には内緒で」
断るにも断れず女性の保育士さんに中へ案内された。
その保育士さんとはここの園長先生だった。
「わ、私、勤務中にここへ来るのは初めてで…」
テツヤくんが休みの日は前を通ることは何度もあった。
「黒子先生は始めは影が薄いせいか、泣いてしまう子もいたんですがみんな直ぐに慣れて今では大人気なんですよ」
「そうなんですか?」
でも、影が薄いのは否定出来ないし、驚くのは無理もない。
「黒子先生は優しい先生ですから、最近は女の子にも人気でして」
ちょっと意外…女の子に人気なんて
ちょっと妬けちゃう。