第47章 イジワルオオカミさん【青峰大輝】
頭巾からはみ出しているチャームポイントが激しく反応していた。
因みに私も迷子中。
「みんな~どこ?」
森の中は歩いても同じような景色ばかりが続いていた。
「おい…」
「みんなどこにいるんだろう…私、帰れるのかな」
「おい…」
「どうしよう~」
「おい!!そこのチビ頭巾!!」
「へっ!?」
私のこと!?
呼ばれて振り返るとオオカミが…
しかも…
「黒い…いや、青もあるのかな?」
とにかく黒いオオカミが私の前にいた。
「腹減った。何かよこせ」
「えっと…」
何かって…何かあったっけ?
「う~ん。あっ!!」
ポケットから出てきたのは
「はい。どら焼」
秋菜ちゃんがくれたどら焼。
「まぁいいか。これで」
オオカミさんはあっという間に平らげた。
「じゃあな」
「ち、ちょっと待って!!お礼に何か無いの?」
普通はお礼か何かあるでしょ!?
「何して欲しいんだよ…」
「ちょっと…弄らないでよ」
オオカミさんは私のチャームポイントを引っ張ったりして遊んでいた。
「そういえば、名前は?私、夏姫」
「青峰」
黒いのに名前は青いんだ…
スタスタと歩く青峰くんの後を取り合えず付いていく。