第45章 キラキラオオカミさん【黄瀬涼太】
「取り合えずここから移動して、知ってる所に出ないと……行くっスよ」
「う、うん」
夏姫は森を進んで行く黄瀬についていった。
「あ、あの…」
「黄瀬涼太っス」
「あ…夏姫です」
特に名前を聞くつもりで呼んだ訳では無かったが、自己紹介されたのでとっさに自分も返してしまった。
「黄瀬くんはこの森に住んでいるのにどうして詳しくないんですか?」
「いきなりグサリとくること言うんスね…まあいいや。俺、よく森から出てモデルやってるんスよ!!」
キラキラのオーラを放ちながら答えた。
「ふーん。知らないな~」
「ヒドッ!!こう見えて人気あるんすよ!!ほらコレとか最新号!!」
何処からか取り出した雑誌を夏姫に見せた。
「へぇ…」
夏姫はどうやら興味がなかったようだった。
「こうなったら、俺に興味持ってもらわないと…」
夏姫に気付かれないように1人決心する黄瀬であった。