第38章 彼氏が風邪を引きました【誠凛編】
黒子テツヤ
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「ゴホッ…」
「黒子くん、大丈夫?」
「すいません…休みなのに」
練習が休みの日、僕は風邪を引いてしまった。
本当なら今日は夏姫さんと映画を観に行く筈だった。
「冷たすぎない?」
「丁度いいです」
額に置かれるひんやりとしたタオル。
心配そうに僕を見つめる夏姫さん。
「折角のお休みですから、夏姫さんはここにいなくても…」
「折角のお休みだから、黒子くんといるの…」
大丈夫ですよ。
そう告げる前に、夏姫さんは僕の手を握りながら言った。
「元気になったら、デートしようね」
同じことを僕も思った。
「夏姫さん…」
「なあに?」
「ありがとうございます」
「ふふ…どういたしまして」
好きな子に看病されるのは、どんな薬よりも効果があるんですね。