第32章 彼女に○○着せてみた【緑間真太郎】
いつもなら俺の3Pは外れない。
今日のかに座の運勢も良ければ、ラッキーアイテムのリップクリームも肌身離さず持っている。
にも関わらず3Pは外れてばかりだった。
原因は分かっていた。
「真ちゃん今日外れてばかりじゃん」
「誰のせいだと思っているのだよ。高尾」
「あれ?バレた…でも似合ってるよね。真ちゃんの彼女」
高尾に何を言われたか知らないが、夏姫は馬の着ぐるみを着ていた。
ただでさえバカが目立つのに、あれではバカ丸出しだ。
着せた張本人はおもいっきり爆笑している。
「夏姫!!」
「あ。緑間くん!!これラッキーアイテムなんでしょ!?」
「は?」
何を言っているんだ…
「高尾か…」
「そう!!高尾くんが緑間くんのラッキーアイテムだから着てあげると良いって」
「こっちに来い!!」
夏姫の頭と腰の辺りではユラユラとしっぽが揺れている。
体育館裏に連れて来た。
「脱げ…」
「えっ!?」
「脱ぐのだよ…それはラッキーアイテムではないのだよ…」
「そうなの!?」
夏姫は騙されたことにようやく気付くと着ぐるみを脱いだ。
制服に戻った夏姫は俺の持っていたリップクリームに反応した。
「あ!!これ最近出たリップだ!!人気なんだって」
売り切れていて買えなかったと夏姫は残念がっていた。
「あげるのだよ…」
「いいの!?」
「ああ…」
俺は、リップの蓋を開けると夏姫の唇に塗った。