第31章 彼女に○○着せてみた【黄瀬涼太】
「黄瀬くん…大丈夫?」
「大丈夫っス…」
心配そうに見つめる夏姫。
でも、本音を言うと大丈夫じゃない。
だって…夏姫は今
ナース服を着ているから
彼女の膝の上に俺の頭が乗っている。
世間で言う膝枕。
柔らかくて気持ちいっスけど…
なぜこんな状態なのかと言うと…
『可愛いなー』
森山先輩が何かを前にその言葉を連発していた。
『どうしたんスか?森山先輩…』
『黄瀬…見てみろ、ナースさんだ』
「『え?』
ナースの正体は夏姫だった。
『黄瀬くん』
『はっ…夏姫!?』
森山先輩の趣味なのかどうかなんて関係なかった。
俺は意識が飛んでしまい目の前が真っ暗になった。
そして今に至るという。
「んー……」
「頭痛いの?」
そうじゃないんスけど…
「何で着たんスか?」
「え?」
「その服…どうして着たんスか」
「森山先輩が言ったから…」
森山先輩ぃ!!
なんてことをしてくれたんスか!!
「似合ってない?」
「そんなことは無いっスけど…」
むしろ似合い過ぎっス!!
俺は起き上がり、夏姫を自分の腕の中に閉じ込めた。
「黄瀬くん?」
「ダメっス!!」
「え?」
肩に手を置くとベンチに夏姫を押し倒した。