第27章 ずっとそばに【虹村修造】
夏姫を日本へ残しアメリカに行って数年。
会えるのは年にほんの僅かだった。
基本メールや電話だった。
会ってみれば段々大人の女になっていく夏姫。
『修くん、あのね………』
初めて見た時よりも綺麗になっていく。
変わったのは見た目だけで安心した。
『今度はいつ会えるの?』
『さあな……』
『……そっか』
帰り際、空港でいつも寂しそうな表情を浮かべる。
頭を撫でればあふれ出てくる涙。
『また来るから泣くんじゃねえよ』
『…っ……修…くん』
ずっとじゃない…
後少し……学生じゃなくなったら
帰ってくるから必ず……
帰って一番にお前に…夏姫に会いに行く。
毎回そう誓いながら再びアメリカの地へ帰って行った。
☆★☆★☆★
「ただいま」
「お帰りなさい!修くん!」
高校を卒業し、こっちの大学へ通うため帰国した。
すぐに見つけたのは夏姫。
また一緒に過ごせるのは嬉しいに決まってる。
そして今、こうして再会した。