第4章 看病【黄瀬涼太】
いつも聞こえるボールの音
いつもと同じ風景
皆の声
「黄瀬!タラタラしてんじゃねえ!」
「笠松先輩~」
いつもと同じ事をしてるのに今日は違う。
「桜庭がいないから……なんて言ってサボったらシバくぞ!」
「うっ………笠松先輩の意地悪!!」
笠松先輩の言ったことは事実。
今日は夏姫が居ない。
風邪をひいて寝込んだらしい。
「黄瀬、男ならこの場合どうしたらいいのか教えてあげよう」
「森山先輩?」
「やはり、看病だ!!」
「………………はぁ」
お見舞いじゃないんスね。
「弱っている女の子を優しく看病……そしたら必ずおちる!」
森山先輩の話…多分なんスけど、付き合う前の設定……だよな。
看病……でも悪くないっスよね。
森山先輩にしてはいい事聞いたっス!
「森山先輩!ありがとうございます!あっ、笠松先輩~オレ帰ります!」