第22章 誓いのキス?【氷室辰也】
ある日の事だった。
「夏姫、頼みがあるんだ…」
氷室くんに頼まれたら断るなんて出来ないよ…
「私でよかったら」
「文化祭のステージに俺と出てくれないか?」
「良いけど…」
ステージ発表か…
あれ?氷室くんのクラスは何するんだっけ?
思い出せないまま、文化祭当日がやって来た。
「ひ、氷室くん…これ」
「夏姫…すごいな」
私が着ているのは、真っ白なウエディングドレスだった。
歩きやすいようにスカート部分はミニに出来ていた。
「すまない…まさかこんなことになるなんてオレも思ってなかったんだ」
氷室くんは少し困り気味だったが氷室くんが着ているのはタキシードだ。
氷室くんが着るとカッコいいな…
「夏姫?」
「何でもないよ…」
氷室くんが話すにはクラスにデザイナー希望の子と、服を作るのが趣味な子がいてファッションショーをすることになり、氷室くんはモデルに選ばれたらしい。
「行こうか…」
「うん」
差し出された手を握り、私たちはステージに向かった。