第21章 彼氏がお見合いをするそうです【赤司征十郎】
「はぁ……」
今日は溜め息ばかり出てる気が…
幸せが出ていってしまう。
「はぅ…もぐもぐ…」
幸せを取り戻さないと…
私は出ていった幸せを掴み食べる。
実際はフリだけど…
「夏姫…っ…」
「っ………赤司……くん」
見られた…
私今スゴく変な体勢!!
赤司くんは走って来たようで、額には汗が滲んでいた。
赤司くんは私の前に立つと伸ばしていた私の腕を引いた。
そう、私は今赤司くんの腕の中。
「さっきはすまなかった…」
どうして謝るの?
悪いのは私なのに…
「オレは夏姫の事ならなんでも分かると思っていた…でも、違った………夏姫もオレを分かっていないとダメなんだ」
「赤司くん…」
真剣な眼差しから目が離せなかった。
「赤司くん…私、赤司くんの考える事よく分からないよ…どうしたら赤司くんの事よく分かるの?」
「オレの何が知りたい?」
「全部……」
全部知りたい。
赤司くんの事なら全部……
私だけが知っている赤司くんを知りたいよ。
「教えてあげるよ…オレの事。全部ね…」
赤司くんは私に唇を重ねた。