第2章 Girl's side 『素』
だって、生まれてなかったら
君と会えてないし、君と喋ったり、
君に声聞いたり、君をこの目で見たり、
できないんだろうなって考えると
こんな体でも、君と出会えている私は
幸せ者なんだろうなって思う。
だからね、まずは親に感謝。
と、素直になる自分が少しおかしくて
笑ってしまう。
死期が近づいているから
こんな思考を巡らすんだなって思う。
ごめんなさいってまずは言わなきゃ
親孝行できなくて、ごめんなさいって。
迷惑かけてごめんなさいって……。
そして、ありがとうも伝えなきゃ。
産んでくれて、ありがとう。
だから今の私がいる。
大好きな君と出会えている私がいる。
これで好きと言えれば、何も後悔はないかも
『好き』
心の中にいる君にそっと耳元で囁く。
そして、この感情を心に秘める。
熱くて蕩けそうで、モヤモヤして緊張している
この意味のわからない、好きという感情を抑え、
また今日も君との時間を大事に過ごす。
残り少ない時間を君と大事に過ごす。