第2章 Girl's side 『素』
命ある中で生きて
命を吹き込まれた、この体から
聞いて、喋って、見て。
大好きな人の隣にいて、これ以上の幸せを
求める私は、贅沢者なのだろうか。
もっと君といたい。
もっと君と喋りたい。
もっと君を見ていたい。
もっと君の声を聞いていたい。
そして何より。
好きという言葉を伝えたい。
君との距離をもっと縮めたい。
願望と欲望が私の心の中でうずく。
「来たよ」
くだらない事を考えているうちに時間が来て
君がまた、私の病室に入ってくる。
そして私は、そんなマイナス思考をやめて、
笑顔を作る。
君の前では笑っていたい。
君には心配かけたくない。
正直、こんな姿見せるのも嫌だ。
元気な姿を君には見せたかった。