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言いたい言葉。

第1章 Girl's Side 『命』


でも、知ったのは。



余命宣告を受けた後だった。



だから、言おうにも言えない。
言って、もし両思いになれたとしても
私は、死んでしまう。

死んで、その人を悲しませるくらいなら
私はこの気持ちを胸に秘めようと思う。

その人が好き。
君が好き。

だから、私は……。



好きと君に言わない恋をしようと思う。



「お前って好きな人とかいるの?」

いるとは言わない。
好きな人はいるけど、いない。
少なくても君には内緒。

言わない。
言っても涙しか残らないと思うから。

「も、もしかして、好きな人いるの?」

私は無理やり、笑顔を作って質問し返す。
衝動的に言ってしまった。
そしてこの質問に後悔している、自分がいる。

「いる。昔からずっと、その人だけを思っているかな」

それ以前の壁がある事を知ってしまった。
君には好きな人がいる。
昔から、ずっと……。


「じゃあ、また来る」
「うん。またね」

優しくて笑顔が素敵な君だなって思いながら
また、何事もなかったかのように

『またね』の一言をかける。





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