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言いたい言葉。

第1章 Girl's Side 『命』


私の余命が、残り一ヶ月と知りました。

一ヶ月といっても、それはあくまで予定であって
明日死んじゃうかもしれないし
一週間後に死んじゃうかもしれない。

いつこの世からいなくなるか、わからない
日常の中で、私は一つ恋をした。

いつから恋に落ちていたのだろう。
病院の白いベッドの上で
風で落ちていく葉を見ながら私はひたすら考える
風音しか聞こえない病室に、ドアの叩く音が
リズムよく鳴り響く。

「来たよ」

君が、病室に入ってくる。

毎日君は、私のいるこの殺風景な部屋に入っては
出たりしている。

そんな様子を毎日、静かに
君に気づかれないように、目で追っていた。

「今日さ、漫画持って来たんだけど良かったら読む?」

自分の余命がわかってからか
君と一緒にいる時間が、とてつもなく
悲しい気持ちになるのは、なぜなのだろうか?

たまらなく、胸が痛い。
この感情はきっと、悲しい気持ち。
そしてこの感情は、君だけにしか生まれない感情で
たぶん…じゃなくて、きっと

君のことが好きなんだなって



初めて知った。
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