• テキストサイズ

【ハイキュー】エンノシタイモウト

第25章 【結局のところ】


「そんでまたあんたそこに留め置かれる訳、何なの、アホの子なの。」
「やかましわっ、私かて抵抗したっちゅーねんっ。」

第二体育館の二階に上がる梯子を登りながら美沙は月島に怒鳴りかえした。言うまでもない、また義兄の部活が終わるまで美沙はいつかのように第二体育館の中で待たされる事になったのだ。一体どのような力を濫用したのか義兄はきっちり顧問の武田、コーチの烏養、主将の澤村に許可も得ている。

「美沙ー、今日も宿題やんのかーっ。」
「そうやで、日向。他にやることあらへんもん。」
「美沙さん、足元気をつけてね。」
「ありがと、谷地さん。」

美沙はかけられる言葉に返事をしながら梯子を登りきり、例によって奥にうずくまる。

「縁下も心配性だなー。」

菅原が言った。

「別にあの子悪いことするわけでもないだろに。」
「ああいや、美沙は信用してますけど世間が信用出来ないもんで。」

菅原はブーッと吹く。

「せ、世間が信用できないてちょ、縁下が、縁下がぶっ飛んだこと言ってる。」
「すすすスガ、笑いすぎだろ、縁下に悪いぞ。」

東峰が慌てるが菅原はかなりおかしかったのかピクピクしてなかなか笑いが止まらない。

「スガさんが笑い止まらねーとか、縁下お前どんだけだよ。」
「お前に言われたくないよ、田中。」

力が田中に言い返すと

「あの、縁下さん」

山口がおずおずと言う。

「どうしたんだ。」
「美沙さん、最近お洒落に目覚めたんですか。こないだまでブレスレットしてたの片方だけだったような。」
「よく見てるな山口、一つじゃ寂しいだろうから付け替え用にもう一つあげたんだけど両方ともつけちゃったみたいでさ。」

力はそれっぽいことを言ってごまかしたが背中に木下と成田の視線を感じてコソッと振り返り囁く。

「何だよ、お前ら。」
「嘘つきー、シスコーン。」

木下が言い、成田までもが

「過保護ー、次は指輪かー。」

とからかう。
/ 224ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp