第23章 【飾りか枷か】
美沙はあらま、と呟き残ったアイスのコーンを口に放り込んで食べきってしまった。岩泉が全力で突っ込んでいる中、及川は勝手に動画を再生して面白がっている。
「へー、何かお話になってるじゃん。よく思いつくね、こんなの。」
「いやあの」
美沙は照れてそっぽを向く。
「あ、しかも動いたっ。岩ちゃん見て、歩いてるよこれっ。」
「おいこれ描いたのか。」
「はい。でも3枚くらいですよ、もっと動かそうと思ったら多分200枚は描かんと。」
「聞いただけで吐きそーだわ。」
岩泉は感心半分呆れ半分で言う。
「あとおめーな、この馬鹿に天然言われても仕方ねーぞ。」
「最悪やっ、何でなんっ。」
「わかんないとこが天然さんだよねー。」
「やっかましーっ。」
そうやって3人でギャーワーやっているうちに日も暮れてきてそろそろ帰ることになった。
美沙はその後奢ってもらったお礼を言い、及川達と別れた。帰る道すがらかなり悩んだ。及川の言った意味がわからない、自分がもらって身につけた物は飾りなのか枷なのか。義兄に聞いたら答えてくれるのだろうか。