• テキストサイズ

【ハイキュー】エンノシタイモウト

第22章 【きっかけ】


とある放課後、部室で着替えている時のことだ。

「わかんねえなぁ。」

木下が言った。

「急にどうしたんだ。」

力が聞くと木下はとんでもないことを言った。

「ここ最近のお前のシスコンぶりが何でかわかんねえ。」

力は固まった。これが田中や西谷の発言ならまだ突っ込みようがあったかもしれないがまさかの木下だった為反応に困る。

「シスコンてお前」
「お前今更自覚ない訳じゃないだろ、シスコンじゃなかったら何なんだ。あれするなこれするな隠し事するな言うこと聞けとかうるせーし野郎があの子に触ったら怒るし場合によっちゃ待たせてまで一緒に帰るし。」
「今日はぐいぐいくるな木下、どうしたんだ。」
「前から聞きたかったんだよ、田中とか西谷がいたらなかなか聞けねーじゃん。あいつらがわあわあ言ってる間に話変わっちまうし。」

それまで黙って側にいた成田が分かる気がすると呟く。

「で、何でなんだよ、おにーちゃん。」
「お前、次それ言ったらはたくぞ。」

力はため息を吐く。

「兄貴が妹を大事にしちゃいけないのか。」
「いけなくないけど美沙さんって悪い子じゃねえけどその、」

木下はここでかなり言いにくそうにした。

「えーと、」
「はっきり言えよ、見た目は可愛くないのにって言いたいんだろ。」

木下はうぐっと唸り成田がやれやれと首を振る。木下は指摘されたことを認めた。

「そーだな。おまけにオタクで大人しいけど癖強いとこあるし、表情固いし。多分他の奴だったら可愛くないって言うと思うんだよな。」
「木下、そのオタクに世話になってんの誰だ。」
「そっちは感謝してるってっ。いい子なのも知ってるけどさっ。」

木下は焦りまくりである。

「木下、もう喋らない方がいいんじゃないか。縁下そろそろキレるぞ。」

成田に言われて木下はううと唸るが力はキレるつもりはなかった。

「見た目がどうとか関係なくさ、」

力は言った。

「俺が美沙に依存してるんだと思う。」
「マジかよ。」

木下が驚いたように言う。

「何でまた。」
「きっかけがあった。」

力は答える。
/ 224ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp